スギナミ・ウェブ・ミュージアム

NO.13 『河東三代子 写真集『WONDER WONDERLAND N.Y.C.』

河東三代子 著 変形B5判/本文64ページ+見返し・表紙・カバー、マップ POP付/3,500円

投稿:K.T

写真家・河東三代子が、刺激とぬくもり、魅力的なギャップを感じる愛してやまない特別な街・ニューヨークを捉えた写真集(限定サイン本)。温度や湿度までが伝わってくる写真の数々がナチュラルペーパーに再現されている。撮影場所を記録したマップも加わり、N.Y.C.の魅力が読者にも共有される。N.Y.ファンへのプレゼントにも。

Facebook: https://www.facebook.com/miyoko.kato.7

NO.12 『Mutsumi Sato Photobook『Asagaya Rhapsody』(CRP JAPAN)』

佐藤睦美 著 A5判/表紙込み 44ページ/800円

投稿:K.T

1970年 JR 中央線の端にある大学に入学した。
小さな基地の町から、初めて都会に出て来た私には見るもの全てが刺激的だった。
授業が終われば仲間と遊びに出かけた。
八王子、立川から始まり、やがて吉祥寺、阿佐ヶ谷、高円寺、新宿と中央線文化を満喫した。
その頃の阿佐ヶ谷には大きな屋敷が点在していたが、やがて相続世代が変わり、それらは手離され、広い敷地は小さなブロックに分けられ、今までの静かで優雅な佇まいは徐々に失われつつあった。
そんな阿佐ヶ谷には、かつての華麗な歴史を徐々に失っていったこの地への思いが生み出した愛すべき魔物達が、今もひっそりと棲み着いている。(著者)

Facebook: https://www.facebook.com/mutsumi.sato1

NO.11 『Chihiro ITO Art Works Vegetable in Isolation 2020』

伊藤知宏 著 A4判/表紙込み20ページ/700円

投稿:K.T

現代美術家、メディア・アーティストとして現在ニューヨークを拠点に活躍する伊藤知宏(東京出身/1980-)の作品集。在京時代は阿佐谷アートストリートの初期から参加し、大胆な構図と色彩で構成された作品群を記憶にとどめている方も多いことでしょう。2018年には実験映画の父・ジョナス・メカスと出会い実験映像、詩なども手がけるようになり幅広く海外各地で活躍しています。
本著では、 “そこにあるものをえがく”ことをテーマに表現した野菜や花などの作品が収められています。何気なくおかれた静物、生活音がハッとする切り口で表現されており新鮮な印象を受けます。
※ご購入の方は、公式サイトからお問い合わせください。

公式サイト: https://chihiroito.com
インスタグラム: https://www.instagram.com/chihirohihihi

NO.10 『きみのはなし』

原葉太 著/18㎝角和綴じ/表紙込み30ページ/2000円~(版・用紙による)

投稿:K.T

阿佐谷を拠点に活躍する現役若手作家・原葉太(2001-)の版画絵本。幼少期より創作に関心を寄せ、自分なりのスタイルを追求しながら活動中の原葉太が投げかけるストーリーとざっくりした個性的なラインの版画が見開きで展開します。
現代ならではの多色版画の作成は実に独得で、スミとカラーに分版しカラーコピー機で多色あわせし最後は手作業で丁寧に和綴じ製本するというもの。そのため用紙や版は少しずつ変化し1冊1冊がユニークなものとなっています。

原葉太 ツィッター:https://twitter.com/harayoota
原葉太 インスタグラム:https://www.instagram.com/harayoota
ご購入は以下のショップで事前に在庫をご確認ください。
OUTBOUND(吉祥寺) https://outbound.to
sunnyboybooks(学芸大学) https://sunnyboybooks.net

NO.9 『中原中也全詩集』

中原 中也 KADOKAWA/角川ソフィア文庫/文庫判/本文800ページ/1360円

投稿:K.T

「よごれっちまった悲しみに」はわずか30歳で夭折した詩人・中原中也(山口県出身/1907-1938)の代表作です。12歳の頃から創作に打ちこみ多くの媒体で作品(短歌等)が入選するなど、早くから天分を発揮し没する直前まで人間の悲哀を多くの詩に表現しています。1925年、18歳で上京した際には小林秀雄(東京都出身/1902-1983)の住む高円寺(現高円寺南2丁目)に約半年ほど居住した記録があります。その後も中央線界隈を次々と転居していたことから居心地のいいエリアだったのかもしれません。
本著は口絵写真、時代別作品、巻末に年譜と、中原中也のすべてが凝縮された保存版とも言える一冊。ファンにも、そしてビギナーにも役立つうれしい全集です。

NO.8 『北原白秋詩集』

新潮文庫 神西清編/文庫判/モノクロ/本文208ページ

投稿:K.T

「からたちの花」「ペチカ」など童謡・歌謡、詩、短歌、翻訳と数多くの名作を手がけた詩人・北原白秋(熊本県出身/1885-1942)は、その晩年を杉並区阿佐谷で過ごしました。歌人仲間の野北和義が著作『阿佐ヶ谷時代の北原白秋』(砂子屋書房)で、阿佐谷をいたく気にいっていた様に触れています。
作曲家・山田耕筰(1886-1965)と数々の名作を生み、とくに「この道」は2006(平成18年)「日本の歌百選」にも選出され時を超えて多くの日本人に支持されています。
本著では、白秋の代表作をジャンルごとに紹介し、ロシア文学者・文芸評論家であった神西清(1903-1957)が作品の背景を北原白秋の思想とともに紹介しています。

NO.7 『恩地孝四郎研究 版画のモダニズム』

せりか書房発行 桑原規子著
A5判/モノクロ(作品紹介一部カラー)/本文576ページ/8000円

投稿:SSAP

版画を中心に活躍した現代アートのパイオニア・恩地孝四郎(東京都出身/1891-1955)。 昭和27年杉並区の区制施行20周年記念の区の紋章(「杉」の字を幾何学的に図案化した)のデザイナーといえばピンと来る方も多いでしょう。60年を経た現在でもそのデザインは色あせることなく幹線道路の区境で目にすることができます。
江戸時代から続く分業制の版画から一人の創作者によって完成する創作版画が主流になってまだわずか100年程度ですが、恩地孝四郎はその黎明期から生涯にわたり抽象・モダニズムを追求し表現し続けたたぐいまれな創作者です。その活動分野は版画のみならず、装本、詩、写真等におよび関連書籍・著作も数多く出版されています。本著『恩地孝四郎研究 版画のモダニズム』は丁寧な取材によって発表された著者の論文にもとづく本格的な解説本です。人物、作品、とりまく情勢を網羅しこまやかに紹介されています。膨大かつ重厚な内容ですので一度に読むのは大変ですが、現代アートの潮流、そして恩地孝四郎を知るために一度は読みたい本です。

NO.6 『中川一政全文集 第二巻』

中央公論社発行(現中央公論新社)
A5判/モノクロ/本文400ページ/3800円

投稿:SSAP

永福町ゆかりの洋画家・中川一政(東京都出身/1893-1991)は歌人、随筆家としても多作です。創作についての思いや経過、コンペティションの様子、取材旅行にまつわる紀行文、芸術家たちとの交流など多彩なテーマで筆をふるっています。
この全文集は、そんな中川一政の思いを知らせてくれる良質な随筆集です。特に第二巻には別途発行されていた「武蔵野日記」が含まれており、昭和初期にかけての永福町の変化・発展に戸惑ったり楽しんだりする町の人々の様子が記されています。アートのみならず、地域の歴史に関心のある方におすすめの一冊です。

NO.5 『園山俊二と心優しき仲間たち』

朝日新聞社発行 編集協力:クニ・トシロウ、久芳勝也、内田玉男、細萱敦、秋田孝宏
A4判変形/フルカラー/表紙込128ページ

投稿:SSAP

杉並区内の公園に掲示された原始時代の漫画の看板を見かけた方も多いことでしょう。手がけたのは上高井戸に居住していた杉並区に縁ある漫画家・園山俊二(島根県出身/1935-1993)です。
『はじめ人間ギャートルズ』で人気を博した園山俊二は、早稲田大学漫画研究会に籍を置きながらも子供向け漫画界で頭角をあらわし『がんばれゴンベ』でデビュー。以来トキワ荘仲間とも交流を持ち大人向け漫画に専念。数コマで構成される短編漫画の他、絵本も手がけている。明るくコミカルな作風のなかに、人間の悲哀をさりげなく潜ませる手腕は絶妙。自費出版した『国境の二人』では、国境、戦争などのしがらみをよそに人間本来の在り方を提言するかのような短い台詞が秀逸です。 本著『園山俊二と心優しき仲間たち』は、そんな園山俊二が手がけた作品の数々、藤子不二雄A、みつはしちかこら漫画家仲間たちからの園山評を1冊にまとめあげたもの。ビギナーにおすすめです。

NO.4 『江渡狄嶺資料展 1924旅』

杉並区立郷土博物館分館発行
B5判/フルカラー/表紙込36ページ/価格300円(税込)

投稿:SSAP

大正から昭和初期、杉並区高井戸の実験農場を拠点に、農の哲学を極めた江渡狄嶺(えどてきれい)が所蔵していた資料集。氏の書庫には当時の生活、文化、宗教、政治など多才な資料が残されており、その数は膨大なものでした。なかでも「旅」にまつわる歴史資料は、アジア・欧米・日本の地図、船や鉄道の時刻表や沿線観光案内、アメリカで現在も営業するホテルのパンフレット、大正時代の日本のパスポートなど実に興味深い印刷物が美しい状態で残されていたのです。本書ではそんな江渡狄嶺が残した「旅」にまつわる資料を中心に紹介しています。旅や歴史が好きな方にはおすすめの冊子です。
杉並区立郷土博物館本館(杉並区大宮)、分館(杉並区天沼)で販売中です。

NO.3 『田中青坪 永遠のモダンボーイ』

水声社発行
B5判/フルカラー/表紙込 108ページ カバー付き/価格2100円(税込)

投稿:SSAP

1903(明治36)年群馬県で生まれ日本美術院を中心に活動した日本画家・田中青坪。
3歳からは東京に移り住み、幼い頃から絵画に興味を持っていましたが中学2年の時にデューラーの画集や岸田劉生の作品に衝撃をうけ画家への道を目指したといいます。日本画でありながらも大胆な構図と煌びやかな色彩で描かれた風景画、たおやかでありながら意思を感じる稜線を用いた人物画などモダニズムを追求した作品は現代でも多くのファンを魅了しています。
しかしながら田中青坪に関する著作・図録は極めて少なく本書は貴重な1冊なのです。没後はじめて開催されたアーツ前橋での個展を記念して発行された田中青坪の集大成とも言える図録であり人物伝でもあります。冒頭には、1929(昭和2)年、結婚を機に居を構えた荻窪での文化人との交流をうかがうことのできるコメントを田中青坪の娘である福田仁さん自らが紹介しています。

No.2『もっと知りたい棟方志功 生涯と作品(アート・ビギナーズ・コレクション)

石井頼子著 東京美術発行(2016年5月)
B5判/フルカラー/本文87ページ/定価(本体2,000円+税)

投稿:MK

棟方志功(1903~1975)の、生い立ちから「民藝」との出会い、原点回帰まで、生涯の画業を通し希求したこと、そしてそれらを体現した作風の変遷を時代別に紹介した書籍です。豊富な作品紹介、技法解説、年表やチャート等も用いて、簡潔ながら大変分かりやすく、はじめて棟方志功作品に触れるビギナーやバックグラウンドとともに作品を鑑賞したい方にお勧めしたい手引き書でもあります。
棟方志功は青森県に生まれ、杉並区上荻に1951年から亡くなるまで居住していました。著者は10代半ばまで上荻の自宅で棟方とともに過ごした孫であり、棟方志功研究家として活躍中の石井頼子氏。

No.1『SUGINAMI CREATIVE CATALOGUE 2017』

すぎなみ戦略的アートプロジェクト発行
AB判/フルカラー/表紙込92ページ/参考価格1,800円

投稿:SSAP

杉並区内の文化施設、アートに関わる企業、教育機関をはじめ区内を拠点に活躍する39組の作家とその作品を紹介しています。杉並区内にこれほど芸術に関わる人材がいたのか、あの大御所も杉並区民だったのかと改めて地元の豊富な文化を再認識できるカタログです。風合いのあるコットン系表紙で全編カラーですので、気のおけない区民の方へならプレゼントにもできる1冊です。